保険の種類は3つだけ

 郵便局(かんぽ生命)の保険のお話をするにあたって、まず、生命保険の一般的なことがらについて説明したいと思います。 
 現在、保険会社各社より、様々な生命保険商品が販売されていますが、昨今の保険商品は複雑で、保障内容も多岐にわたっていて、生命保険業界に携わっているひとでなければ、保険商品自体がよくわからないというのが現状ではないでしょうか。 

 そのように、一見複雑に見える生命保険商品ですが、大きく分けると、たった3つの商品に分類することができます。 
「定期保険」、「養老保険」、「終身保険」の3つです。 
 それでは、それぞれの生命保険商品の特徴を見ていきましょう。 

「定期保険」

 「定期保険」というのは、保障期間が、10年間、20年間などのように定まっていて、その保障期間中に、「被保険者」がなくなった場合に、「死亡保険金」が支払われるという生命保険商品です。 
 保障期間満了後に、被保険者が生存していた場合には、保険金は支払われません。 
完全に「掛け捨て」のため、保険料は、「終身保険」や「養老保険」と比べて低く抑えられています。 
「定期保険」の加入目的は、被保険者が、働き盛りの世帯主で、被保険者が亡くなったときの配偶者や子供など扶養する家族への生活保障にあります。 

「養老保険」

 「養老保険」は、簡単にいうと、「定期保険」に、保障期間満了時の「満期保険金」が加わった生命保険商品です。 
保障期間は、「定期保険」と同様に、10年間、20年間などのように定まっています。 
 被保険者が、保障期間中に亡くなった場合には、「死亡保険金」が、保険期間満了時に生存していれば、「死亡保険金」と同額の「満期保険金」が支払われます。 
 つまり、保障期間中に亡くなっても、生存していても、「死亡保険金」に相当する金額が支払われるため、保険料は、「死亡保険金」と同程度の金額になります。 

「終身保険」

 「終身保険」の保障期間は、文字通り、「終身」です。 
被保険者が、亡くなった時点で「死亡保険金」が支払われる生命保険商品です。 
 ひとは、誰しも最終的には亡くなるので、「終身保険」は、必ず、「死亡保険金」が支払われます。 
そのため、生命保険会社としては、必ず、「死亡保険金」を支払う義務がありますので、「養老保険」同様、「死亡保険金」と同程度の保険料をいただかなければなりません。(ただし、支払う時期は、ずっと先であることを願っています。) 

どの生命保険商品もこの3種類の組み合わせ

 みなさまの中には、自分が加入している生命保険商品は、上記の生命保険商品のように、そう単純ではないと思われている方がいると思いますが、どんなに複雑な生命保険商品に見えても、よくその生命保険商品を分析してみると、この3種類の生命保険商品の組み合わせと、「特約」といわれているオプションを付けて成り立っているということがわかります。 

 それでは、多くの方が加入している「働き盛りのときには、手厚く、子供が巣立ったら葬式代程度が出ればよい」というタイプの生命保険商品の場合はどうでしょうか。 
 このタイプの生命保険商品は、おそらく、このような保障内容ではないでしょうか。 

 「30歳で、加入して、60歳まで保険料を支払い、60歳の保険料支払期間に亡くなると「死亡保険金」が、3,000万円支払われます。60歳の保険料支払期間を過ぎて亡くなった場合は、「死亡保険金」が300万円支払われます。」 

 このタイプの生命保険商品は、次のような生命保険商品の組み合わせで成り立っています。 
まず、1階部分は、死亡保険金「300万円」の「終身保険」です。 
そして、2階部分は、保障期間が30歳から60歳までの30年間の死亡保険金「2,700万円」の「定期保険」です。 
 それで、60歳までに亡くなると、「終身保険」の300万円と「定期保険」の2,700万円の合計「3,000万円」が支払われるのです。 
一方、60歳を過ぎて亡くなると、「終身保険」の分の「300万円」のみが支払われるということです。 

 よく、このタイプの生命保険商品に加入していたひとが、次のような不満をもらしていることがあります。 
「3,000万円の生命保険に加入していたけど、60歳を過ぎて亡くなったので、300万円しかもらえなかった。」とか、 
「3,000万円の生命保険に加入していたけど、60歳で解約したら、解約返戻金を200万円しかもらえなかった」などです。 

 当時者にしてみれば、3,000万円の保険に加入しているのに、受け取った金額が10分の1程度に減らされているという言い分でしょうが、実際の支払い保険料との兼ね合いからみれば、納得していただけると思います。 
 そちらの説明については、別の機会「定期保険と終身保険 どちらがお得?」の記事を参照してみてください。 

「学資保険」も「養老保険」の仲間

 その他の生命保険商品に「学資保険」というものがありますが、これは「養老保険」の仲間といえます。 
「養老保険」との違いは、いくつかありますが、「学資保険」の最大の特徴は、契約者(例えば、被保険者のお子さまの父母)が保障期間中に亡くなった場合には、その後の保険料の支払いが免除されるとう制度です。 
(ある意味、契約者に「定期保険」の保障がついているようなものです。) 
 そのため、「学資保険」の場合には、「被保険者」ではなく、「契約者」の健康状態が加入時に問われます。 

 また、郵便局の「学資保険」は、平成24年から販売された「はじめのかんぽ」には、被保険者の「死亡保険金」というものがなくなりました。 
「学資保険」の満期は、被保険者が18歳または22歳を迎えたときまでですので、その間に被保険者が亡くなることはまれなため、「死亡保険金」の制度が亡くなりました。 
(「死亡保険金」に替わる、支払った保険料相当額の「死亡給付金」が支払われるようになりました。) 
 それにより、従来支払っていた「死亡保険金」の保険料分が軽減され、保険料の負担が軽減されました。